第一話 「雀の赤ちゃん」 1 夏 ここ米国東海岸ニューヨーク市では7月4日の独立記念日のあたりから、日本での七夕さんを過ぎ、そして中旬に来るCFTコファウンダー 渡邊こずえの誕生日のあたりまで、赤ちゃん雀がぴーぴー鳴くのがあちこちで聞こえてくる。
ぴーぴー聞こえる方向を探すとヒナが大抵大きく口をあけて、お母さんから餌をもらっている。餌は動いていたりして、気持ち悪かったりもするが、赤ちゃんなのに動いているものまで食べてしまって、すごいと思う。 でも自然界の決まり事なので、そうやっていろんな動物の数も決まっているのだろう。 この頃はちょうど蛍まっさかりで目の前にぼわんと現れたり、家までついてきたりする。 蛍を外に逃がしてあげるときも、仲間のいる薮まで持って行ったりして、そういうことも かなり楽しい。夏の行事のようだ。 独立記念日の花火も好きだが、蛍があちこちに浮かんでいる様子は夏の素晴らしさを 感じる。 その日は、こずえちゃんのお誕生日で、夜にはお祝いの宴に参加する予定であった。 2 嵐 午後4時頃、近所へ買い物に出かける途中、雲行きが怪しくなってきた。 よく前を通るアパートの入り口付近の小さな庭に、最近見かけていた雀の赤ちゃんがまた 遊んでいた。 昨日は歩道までやってきて、大丈夫かなと思っていたら、あっという間に駐車している車の下を通り過ぎて、道路の真ん中へ。。。 ああああ!と思って、自分も道路へ飛び出る。幸い、車は来ておらず、雀の赤ちゃんを しっしっともとの薮へ戻して、その場は一件落着。 薮の中にいる赤ちゃんに向かって、お母さんの言う事をちゃんと聞くのよ、と言いながら、風が強くなってきた道路を渡って買い物へ急いだ。 買い物を終えて店から出てみると、黒い雲の垂れ幕がハドソン河を渡ってこちらにどおおおと近づいてくるのが見える。 ぽつぽつ雨も降って来た。 店の軒先で、「走れば濡れないで帰れるかな」と、ぐずぐず考えているうちに あっという間に空から滝のような雨が降って来た。 目の前の坂の道路は洪水のように渦を巻いて大量の水がしぶきをあげている。 ふと嫌な気持ちが。 あそうだ、地面にいた雀の赤ちゃん。。。 「だいじょうぶよね、お母さんがどこかにちゃんと連れて行ってるよね」。 でも気になる。じゃぶじゃぶと現場に直行。 やっぱり。雀の赤ちゃんを発見。 3 パニック アパートの建物と建物がくっついているくの字の壁のつなぎめに向かって身体をぴったり つけていた。降って来る大量の水に顔を向けて必死で小さな羽をばたつかせていた。 大雨に打たれながら、口をぱくぱくあけて助けを呼んでいるみたいだった。 ぎゃっ、どうしよ! 実は、小鳥を見るのは大好きなのだが、幼い頃のトラウマにより、鳥を手で触ることが出来ない。まして「手に持つ」なんて考えただけでも身の毛がよだつ。 でも、すごい形相で赤ちゃんが助けを求めている。 たぶんこのまま大雨に打たれ続ければ体温がキープ出来なくてご臨終になってしまうん だろう。お母さんだって、突然でどうにも出来なかったのかもしれない。 お水も沢山飲んでいるかもしれない。 ラッキーなことに鼻紙のかわりに使っていた小さなタオル (まだ使っていなかったし)を持っていた。 ってことは、素手で触るわけではない と咄嗟に判断して タオルを使ったものの 「手に持って」しまった。 4 レスキュー そのタオルにくるまれた赤ちゃんを傷つけないように柔らかく両手で持って、 びちゃびちゃ家まで走った。 またラッキーなことにドアを開けてくれる人がおり、部屋でぐーぐー寝ている犬猫たちの前を通過して、バスルームまですいすいと雀の赤ちゃんは辿り着いた。 雀のことは読んだことも助けたこともない訳だから、とりあえず走っている間に考えた 応急法を実行に移した。 まずはバスタブの床にバスタオルを敷き、穴をあけた箱に新聞とティシューを割いて入れた。とりあえず温度をあげるため、ライトを熱くならない程度に離してあて、ティッシュのくぼみに赤ちゃんを入れた。 そして速効インターネット検索。 もうあせっているわけなので、ここは米国だが、英語のサイトを読んでいる心の余裕が ない。 googleでも、google.co.jpだ。 あったあった。 「すずめSOS」 「すずめっ子クラブーちょんの字の主張」 それも初心者で、私のように何も雀のことを知らない人たちのために、 緊急にしなければならないことが、一目瞭然でわかるようになっている。 「保護された方はまずこちらへ」と書いてある。 わたし、わたし。くりっく、くりっく。 (わたしが保護されたのではないが、とにかく、くりっく) 英語で、もしかして違う意味かも、なんて考えることもない。 専門用語も、辞書サイトで調べる必要もない。 ただでさえ日本語なのに、チャート式で瞬時にわかる。 う〜お国の皆さん、ありがとう!!!と叫びながら、どたどたと用意にかかる。 しかし、ネットによる雀レスキューへのサポートは想像を絶するものだった。 そしてその間にも掲示板に投稿すると数分も立たないうちにメールで次から次へと 写真つきの指示や確認が届いた。 赤ちゃんはかなり弱っているはずだから、サイトを読んでいる暇はないそうだ! 一秒も争えないらしい。 応急手当としては、まず保温。 身体についた水気をタオルでそっと拭く。 ドライヤーは絶対にだめ。ただでさえストレスで弱っているのだから当たり前のことだけれど、こちらも少々パニック状態。言ってくれるとありがたい。 以下は「すずめSOS」さんから伺った。 また「すずめっ子クラブ」さんのサイトも参考にさせて頂いた。 箱の下半分に60度〜80度のお湯の入ったペットボトルを置き、もう半分には空のペットボトルを置いて箱の水平を調整。ペットボトルはふたつともタオルでしっかりくるむ。 そうすれば赤ちゃんが自分の体温にあわせて、箱の内部を移動出来るのだそうだ。 これは動く元気があるときだけなので、ちゃんと温度も計る必要があるし、湿度も調節しなければならない。 温度と湿度は保護した雀の成長度合いにもよるのだそうだ。 どの写真に近いですか?とメールで聞かれ、写真を選んでいろいろと指示を頂いた。 ずぶぬれの赤ちゃんは丸裸ではなかったけれど、まだ羽も生え揃っていなかった。 ストローと呼ばれる羽のしんがあちこちにある状態のヒナだった。 この場合、箱の中は37度と湿度は70%にしなければいけない。 温度の上がり過ぎにも十分気をつけること。 暑すぎれば口をあけて呼吸などするのでこまめにチェックする。 湿度は小さな容器におしぼりを入れて調節する。 お水は小さな容器に入っていても溺れることがあるそうだ。 また新鮮な空気も必要だし、決してホカロンを使ってはいけない。 箱の中の酸素を奪ってしまうので絶対駄目とのこと。 新聞紙やティシューを割いたものを箱に入れたが、タオルは足がひっかかって骨折する恐れがあるからこれも駄目。 知らないことばかりだ。 細かいことをひとつでも間違うと命取りなのだそうで、緊張した。 そうこうするうちに、私がお腹をこわしたときに使うヒーターを、家人が私のクローゼットから探して持って来てくれた。それを箱の下半分に敷き、もう半分を同じ高さの本で調整。ヒーターのあたっている半分の床が熱すぎないか、箱の底を実際に触ってチェックし、十分な温度になっているか、温度計で調べる必要がある。サーモスタットのついたものは温度が安定しないので、逆に体力を消耗してしまう。 「すずめは3時間以上、餌を食べないとすぐに弱りきってしまいます。」 本当はちゃんとした餌を食べさせないと死んでしまう可能性があるそうだが、 このケースは弱って食べないので、応急の補液で対応してください、という指示を もらった。 応急処置の補液として3%の砂糖水。40度のぬるま湯100ccに砂糖3g (小さじ1)を用意した。 弱っているほどに薄い栄養分からあげないといけないらしい。急に濃い栄養分を与えると 逆にインスリンが出過ぎて、低血糖をおこし、呼吸が荒くなって痙攣をおこすことがある そうだ。勝手なことは出来ない。 すずめの口の中には手前に声門という穴があいており、そこから気管につながっているので、水分を口の中に入れるのはとても危険なのだそうだ。 言われたとおり、スポイトに砂糖水(人肌よりも暖かい)を入れ、 黄色いくちばしの横に1滴つける。飲んだらまた1滴。 数滴(1ml~2ml)飲んだら30分休憩する。 くちばしが閉じている状態で、上下のくちばしの隙間に1滴つける。 ぬれぼそった身体で目をつぶっていたからもう駄目かと思っていると、 すっと液がくちばしの間に吸い込まれ、ごくりと飲んだ。 おおおお。 5 強気 雀レスキュー専門家の方々から「これからが大変です、寝れませんががんばってください」とのこと。緊張。とにかく何も考えずに、ベストをつくすように気をつけた。 一度、砂糖水が少し熱すぎたのか、口の横につけると、びくっとした。 そして、私の顔を見上げて、睨んだのだ! (あついよ! って言ってるー!! ごめーん!!!) 家人に小鳥の餌を買いに行ってもらう。まだ小さくて食べれないかもしれないが、地面を つついていたところを目撃していたので、きっと地面の何かは食べていたのだろう。 箱の床にもばらまいておいた。 これは後に、ぜんぜん役に立っていないことが判明。 本当は元気が出て来たら、かたゆで卵の白身を砂糖湯で練ったものを喉の奥に入れてあげるのが次の段階であった。 しかしせっせと30分おきにスポイトで砂糖水をくちばしの横ににつける。 だんだん身体も乾いてきて、ふっくらとしてかわいい。 安心して眠っているようだった。 これも後からわかったのだけれど、ふっくらしておとなしいのは寒い証拠なのだ そうだ。 夜は眠るのでおとなしくなり、元気がないのか寝てるのかよくわからない。 ただ、箱の中は言われた通りの温度であり、それ以上でもそれ以下でもいけないと言われていた。でも見に行くと、ヒーターのあたっている暖かい半分とそうでないほうをちゃんと移動していた。ほっ。 人間が触ると、人間の臭いがついてしまい、野性に戻してもその臭いで親が近寄らないという話があるが、それは真実ではないそうだ。 雀は臭覚よりも聴覚が発達しているそうで、これも初耳だった。 ただ、雨の日に人間に触られると、羽を覆っている油が人間の手によって落ちてしまい、 水分が羽の中に入って体温を下げ、命取りになるそうだ。 知らない事は恐ろしい。 赤ちゃんの場合は判断が難しいが多少の雨なら、雨宿り出来る近くの薮に導いてあげると よいらしい。 保護されたヒナはひどいストレスに曝されているので、あまり頻繁に見たり、触ったりしてはいけない。でも、タオルで一回だけそっと撫でてみる。 嫌がらないで、目をつぶって安らかに息をしている。。。 実はずっと昔に、パートナーが赤ちゃんの小鳥を拾って連れて帰り、 家についてから箱に入れて、お水を置いたり、餌を入れたりして様子を見ていた。 でも知識がなかったせいで死なせてしまった。 ふっくらとしているからフクちゃんと名付けて、元気になるのだろうと思って いた。でも次に覗いたときには身体を横たえていた。 なので、今回は自分のインターネットチェック能力を全開にして調べ、 メールを送信しては返事を読んだ。 6 夜明け 明け方前に雀の赤ちゃんがぴーぴー鳴き始めた。 嬉しかった。元気になったのだ。 ここでもちゃんと補液を与えないといけないのだそうだ。 起きてから栄養がないと死んでしまうそうだ。 メールの指示によれば、もとの場所に戻すために、まず夜明け直前に箱ごとヒナと、 同じ場所へ行く。餌を撒いておく。夜が明けてくると大人の雀たちが降りて来て餌を ついばむ。そこへヒナを放してあげる。 しかし、実際、夜明け前に、幼い鳥が入った箱を水平に持ちながら、夜風に吹かれて待つというのは心細いものだ。 ヒナはだいじょうぶだろうか、など心配がつきない。 おまけに、心配な表情が、思い詰めた表情に見えたのだろうか。 餌を撒いたところのアパート管理人のおじさんが、にじにじとこちらに近寄って来て、 疑い深そうに箱を見つめた。 「May I help you? (何かお手伝い出来ますか?)」 911の数年後とは言え、空気はかなり混乱している昨今だった。 そしてこのあたりの管理人さんたちは東ヨーロッパ系の、クロアチア人やマケドニア人の 方達が多く、お国の状況を考えると、用心深くなるのは理解出来る。箱をかかえた女が夜明けに立ちつくしているのだ。ショッキングでもあろう。 しかし、「May I help you?」って言うフレーズはどんなトーンで言おうとも 助ける気持ちがあるときに使うものだ。 「じつはこの中にヒナがいまして〜、夜が明けて、スズメ達が来てから放すって日本の ウエッブサイトに書いてあったんです〜」と小声で伝える。 「お〜、それは興味深い。どれどれどんなヒナなの?」 「こんなの」 「あ、このヒナ知ってる!昨日、大雨だったからどうしたかと思ってたよ。 そうかそうか、よかったよかった」と言って頷いた。 すぐに、雀たちがチュンチュン言い始めた。 わたしが「そろそろ放そうかな」と言うと、おじさんはまだまだと言った。 おじさんは野鳥に詳しいのか、陣頭指揮を取り、ついに「よし」と言ったので、 赤ちゃん雀のちゅんにバイバイを言って、地面に降ろしてあげた。 7 おかえり 私がまだその場にいるのに、ちゅんが地面に降りると同時に 若い2羽があっという間にちゅんに近寄ってきて、 ちゅんを真ん中にはさんで、薮に導いていき、ちゅんは見えなくなった。 8 その後 管理人のおじさんは、ちゅんを見守ってくれると言ってくれた。 心配だったけれど、しばらく様子を見て、沢山餌を撒いて、家に帰った。 その後も餌を撒きにいった。大人の雀も来てもらわないといけない。 おじさんとは顔見知りになり、ハローと挨拶をするようになった。 おじさんがあるとき小さな子供を連れていたので、お孫さんですか?って聞いたら娘さんだって言ったので大変な失敬をしてしまった。(すみませんでした) おじさんは心臓のバイパス手術をして、それからというもの白髪になってしまったのだそうだ。でも子供のためにも長生きしたいから手術をする決心をしたと話してくれた。 ということで、夏の行事、こずえちゃんのお誕生日パーティーに行くことが出来なかった。でも、彼女も彼女の友人も、「お誕生日に小さな生命が元気になってよかったね、おめでたいよ!」って言ってくれた。 当時私が働いていた職場は動物を飼っている人も沢山いて、かなり動物フレンドリーな 雰囲気だった。小さいときに雀を同じように助けて、飼ってたことがあるという人もいた。(日本では、野鳥は捕獲したり飼うのは法律で禁じられているが、何らかの理由で保護した場合は、県などが相談に乗ってくれるそうだ。) 同僚は雀ってすごく頭がいいんだよ、って教えてくれた。 わたしも、ちゅんにちょっと熱めの砂糖水をくちばしにつけてしまったとき、 睨まれて、そう思った。 でも、そのときの職場のボスと世間話をしていたとき、日本では山で雀を食用に捕まえて売ってるよ、と教えてくれた。どこの山かは知らないし、本当かどうかも見た事がないのでわからない。 日本で野鳥を捕獲していはいけないが、狩猟許可というものもあり、食用は中国からの輸入が多いそうだ。 そして話の流れとして、「どうして助けるの?」って聞かれた。 「どうして助けるか」 なるほど。忙しくて考えてみたこともなかった。 9 寂しくないように 「どうして助けるか」 とてもいい質問と思う。 こういうことは考えてみるべきだ。 そして、「どうして助けないか」についても。 雀レスキューのウエッブサイトにも 「助けたスズメは羽ばたいていって、その一生を謳歌することが出来るのです」 って助ける理由を書いている方もいらっしゃった。 その通りと思う。 そして、「事情があって助けられなくてもちっとも悪いことじゃありませんよ」とも書いてあった。それもその通りと思う。 うちの犬猫たちはただ「ちょうだい」って言うだろう。 (「然うは問屋が卸さない。」と私は言うだろう。) 命にはいろんな見方があるものだ。 与えられた命はひとつなのに。 アフリカの動物保護区では通常、そう簡単に野性動物の生態に手出しはしない。 野生生物は食物連鎖に組み込まれているから、自然のバランスを壊すようなことを人間は してはいけない。基本はそれだ。 しかし保護区というくらいだから、人間による保護を目的としているはずだ。 保護をしなければ、人間による環境の変化を加速させてしまう。 でも、それがどこまで保護で、どこまで複雑に絡み合った政治的なことなのかもわから ない。 密猟から絶滅にさらされている動物を、命をかけて守っているレンジャーたちもいれば、 一方、国が様々な理由で許可する狩猟もある。 では話をもとに戻して、どうして大雨に打たれている赤ちゃん雀を助けない道理がある のか。 自然のことなのだから、手出しをしなくてもよかったという考えもあると思う。 巣立ちヒナは飛べない時期、地面で過ごさないといけない期間があるから 溝に落ちていたり、ケガをしていないのであれば保護をしてはいけない。 親が必死に探してしまう。 巣から落ちてしまった巣立ち前のヒナであれば、巣に返さないといけないし、 見つからなければ、近くに籠などで巣をつくってあげることも出来る。 でも、明らかに少しの助けで、消えそうな命がまた灯ることがあれば、 助けても困らないかもしれない。餌になる虫とかは嫌かもしれないけど。 食用として雀の命が消費されているからと言って、 それが助けない理由にもならない。 助けを必死に求めている動物や 苦しんでいる動物を「かわいそう」と思って、 「生きるにしろ、死ぬにしろ、苦しい思いから少しでも解いてあげたい、 出来るならまた生きて飛んで行けるようになるまで少しでも助けてあげたい」 というのは人間に備わった自然な気持ちと思う。 こういった感情を抑えることも社会では大切とされている場面も多々あろう。 経済活動を先行させていることもあるだろう。 でもそのために、人間に備わった自然で大切なこの感情をいつも抑える必要が どうしてあろうか。 雀を食べないといけないご時世でもない。 人間の子供が飢えている国や場所でもない。 雀一羽を食すより、牛一頭の飼育をするより、今は、人間が食べられる作物をつくる安全な畑をもっとつくらないといけないらしい。 食用の牛にはより多くの放牧地とより多くの資源が必要になる。 それと同時に野生生物が生きて行ける森も伐採していっさいがっさいなくしてもいけない のだ。 また、「かわいそう」という同じ気持ちで、動物を苦しめることだってあるのもわかる。 でも、それは大抵情報がないところで起きることだ。 全てを知るのは不可能かもしれないが、人間が動物のことを全くわからないってことも ない。ひとつひとつ学んだことを繋げて行くことが出来る。 そして、それよりも何よりも、私たちが助け合って生きているのは、何も人間同士だけではないのだ。私たちだっていくらでも動物たちや自然に助けられている。逆にその助けがなければ、生きて行く事だって出来ないかもしれない。 助けを求める人間を見て、他人が咄嗟に駈け寄るように、 人間は動物も沢山助けてきたのだ。 どんなにその逆のことが周りで起こっていようとも。 なぜなら、自分の命は他の命に助けられているから。 人間の健やかな感情の表現は、社会の豊かさに貢献すると思う。 ちゅんは若い2羽に導かれて薮に入ったまま、その後は見かけなかった。 ちゃんと立派に育って飛んでいるか、今でも通りがかるとついつい目が探してしまう。 拾って来て死んでしまったフクちゃんは、ユニオンスクエアにあるガンジーの銅像の足下のはじっこに埋めた。ガンジーは「その国の人々がその国の動物をどう扱うかによって、国の偉大さ、道徳的発展がわかる」とおっしゃったそうだが、そのときはそのような言葉も知らなかった。ただ、フクちゃんが旅立つときに寂しくなければと思い、なんとなくガンジーさんの側なら、コワくないんじゃないかと思っただけだった。 10 386,258 人 ちゅんを保護する以前に、おじさんが管理するアパート前のコンクリのところでちゅんが 遊んでいるのを見かけていた。ある日、暮れて来た折りに、寒い風が吹いていたので、 新聞紙を割いて入れた箱を、通りから見えないところに置いておいた。そのとき、ちゅんはコンクリの広いところにいたから、とりあえずしっしと追って、横に倒した出入り可能な箱の中に入ってもらった。水分もないといけないと思って、おしぼりも小さな容器に入れた。 野良猫も多いけれど、このあたりはコロニーがある場所ではない。しかし、猫でなくとも、他にも沢山危険はあるだろう。 夜もう一度、犬の散歩がてら行ってみると、ちゅんは箱の中の奥でひとりで寝ていた。 ちゅんはまだヒナだったけれど、一生懸命生きていたのだ。 そして今日、この文章を書くために数年ぶりに「すずめSOS」さんのサイトを覗いたら、 あなたは386,258 人目の保護者さんですって書いてあった。 きっと私みたいに覗きにいった人の数も入っていると思うけれど、これだけの沢山の人が 雀のことを読みに行ったのだ。そう思うと、雀の母のような気持ちがして、ともて嬉しか った。 沢山の人がちゅんを助けてくださったと思う。 そのとき、メールで応援して下さった「すずめSOS」の方々、 そして「すずめっ子クラブ」さん、数年後ですが、 皆さまありがとうございました。 イラスト by 椿 りとな 文章 by 水口政美 追記: *「すずめっ子クラブ―レスキュー&育て方」のサイトには、 「本当に保護を必要としているのかどうかじっくりと判断しなくてはなりません。 ケガのないヒナはひろわないで!毎年、たくさんの野鳥の親鳥たちが自分のヒナをさが しています。」と訴えています。 *「すずめSOS」には保護してはいけないヒナのことが書かれています。 こちらは、「ヒナを拾わないで」の、誤認保護防止ポスター *でももし、ヒナを保護してしまったら、「すずめっ子クラブーちょんの字の主張」の野鳥駆け込み掲示板で必要事項に目を通してからご相談してみましょう。アドバイザーの方々は野鳥に関する知識が深く、とても親身になってサポートしてくださいます。野鳥に対する愛情が素晴らしいです。「すずめSOS」の応急処置もご覧ください。 *保護してしまったヒナが迷子だったのかどうかはフンで見分けられます。 こちらをご参考に。「誤認救護からのリリース」 *そして、「すずめっ子クラブ ― 人も野鳥も地球の仲間」には私たちが日頃気をつけないといけないことが丁寧に書かれています。 *またガラスにぶつかってたおれている野鳥をみかけますが、その対処法も紹介されて います。気絶している野鳥にお水をあげるのは禁物らしいですよ。 日頃から読んでおくと、いざというときに正しい処置をしてあげられます。 *「巣立ち雛についてのQ&A」も参考にさせて頂きました。 どちらも素晴らしいサイトですので、ぜひ一度、毎日見かける雀について学んでみてはいかがでしょうか♪ <次回のお話> 当サイトの立ち上げ前日、このセクションにてイラストを描いて下さっている椿りとなさんが、交通事故にあった子供のハトをレスキュー。なぜかその瞬間たまたま通りがかった私。りとなさんのご主人に運転して頂いて、この子供ハトを連れて行ったのが、マンハッタンにまさかこのようなところがあろうとは!... の、寄付だけで成り立っている野鳥保護と治療を無料で行う機関「野鳥基金 / Wild Bird Fund」でした。次回の「出逢った動物たち」は「最強の運を持つ鳩、ハトコ。リトナさんに救われる」の巻きです。 Story 1 “Baby Sparrow” 1. Summer Here in New York City, from 4th of July through the Japanese festival named Tanabata (7th of July – also called the Star Festival), and to mid July - around the birthday of Kozue Watanabe, the Co-Founder of CFT - we start hearing peeps of baby sparrows here and there. When we look in the direction that the sound is coming from, you can usually find baby sparrows that are all opening their mouth wide for more food from their mother. The food looks like sometimes moving and gross but also I was amazed that the baby sparrow was eating the twitching insect although it was only a little baby. The insects were being eaten but that’s how it works. The number of creatures is configured by the law of nature. Around this season, fireflies are everywhere, popping up right in front of me. Sometimes it seems that they are following me home. I cup my hands around the firefly and carry it to a bush where I release it. It is kind of fun, It’s a summer event to me. Like fireworks on Independence Day I always marvel at the floating lights of fireflies in the air. They are reminders of summer beauty. On the day of Kozue’s birthday, as I was getting ready for her party that night. 2. Storm Around 4 pm, I was on the way to my neighborhood grocery store. Clouds in the sky formed ominously to threaten rain. In a small yard, close to the entrance of an apartment building that I often pass by, I saw a baby sparrow playing. It was the same that I had been seeing for the past few days in that spot. The day before he had caught my eye by crossing the sidewalk in front of me, darting under a parked car and continuing into the street. Ahhh! I jumped into the street, too. Fortunately, there were no cars in the street and I was able to guide the baby sparrow to the bush where it came from. Before leaving him under the bush, I said “you’d better listen to your mom!” Crossing the road I felt the wind picking up, and hurried along to do my grocery shopping. Walking out of the store, I looked up and noticed grey clouds, like a black curtain, crossing over the Hudson River. They were moving towards me fast. The first few drops of rain began to fall. Emerging from the store, I wondered if I should run home to beat the rain. The next moment, rain descended out of the sky like a waterfall. Already the hill in front of me was a steady stream of water, swirling and splashing it’s way down the hill. A bad feeling came over me. Oh, the baby sparrow was in the bush… He should be fine, I thought. The mom would have taken him somewhere safe. But I still had the feeling, and ran straight to the bush. I thought so. There was the baby sparrow. 3. Panic The baby sparrow was pressed into a corner created by the meeting of two apartment buildings. He was being pelted by rain as he looked up at the sky, flapping his wings and moving his mouth as if he were screaming for help. Holy shxx! What should I do? I love watching birds, but the truth is that I am afraid of touching them because of a childhood trauma. Just imagining holding a bird in my hands is a horrid thought. But the baby sparrow was crying out for help with a horrified look. If he continued to be pelted by rain, he probably would have not been able to maintain his body heat and eventually die. Maybe, his mom could not do anything because it was all too sudden. He might have drunken a lot of the rainwater. Fortunately, I had a hand towel with me. I thought that I could use it to pick him up and hold him. That way I wouldn’t have to touch him directly. The next moment I was holding the baby sparrow, encapsulated in my hands. 4. Rescue Softly carrying a bundle of towel containing the baby sparrow I splashed my way home. We were lucky to have someone open the front door for us upon arrival at my apartment building. Once in the apartment I headed straight for the bathroom, carrying the little bundle of bird past our soundly sleeping cats and dog. I had certainly never rescued a sparrow, nor had any knowledge of how to save one, so I just acted on what I thought I should do, which was on my mind all the way home. I started by laying a bath towel in the bathtub, then made holes in an empty box and put torn tissues and newspapers in it. After shining light on the box to warm it up quickly, I placed him on the bed of tissues inside. While preparing the new box, the baby sparrow sat in another temporary one with the opening at the top, almost completely covered by towel. Immediate Internet search. Feeling rushed and pressed, there is no room in my mind to read in English despite the country I’m in. It had to be google Japan (google.co.jp). “Here it is!” “Sparrow SOS” “Suzumekko Club’” These sites are for people like me who know nothing about sparrows, but need to learn in a hurry. Everything about what to do in an emergency situation is written clearly. It says [Rescued] Please click here. That’s me! Click (though I am not the one being rescued). No need to search for specialized terminology in a dictionary. Not only written in Japanese but also it had visual guidance. “Oh! Thank you to the people in my home country” I said to myself, and rushed to follow the instructions, creating a stir in the apartment. The support through the internet about rescuing sparrows was beyond my imagination. I posted online about my situation describing the condition that the baby sparrow was in. Within a few minutes they replied to me by e-mail with instructions and sample photos, one after another. According to them, given how weak it was I didn’t even have time to read their website. There was no time to waste. The immediate concern was keeping him warm. I gently wiped off his wet body. The e-mail had been careful to mention not to use a hair dryer, which may seem obvious when dealing with a stressed baby bird, but being that I was in such an excited and panicked state I was glad that they had. The following is the advice from “Sparrow SOS”, and I also refer to the website of “Suzumekko Club”. “Prepare two plastic bottles under a box: fill one plastic bottle with hot water (approximately 60 – 80℃ or 140 – 160°F) and the other should be empty and use it for keeping the box at the horizontal level. Cover the 2 bottles with a towel tightly and place them under the box. The baby sparrow in the box can move around to find the right temperature spot for himself, but this works only when he has energy to move around. The temperature and humidity level inside the box need to be checked. Right temperature and humidity level depend on the growth level of the sparrow. One of the questions from the support team member asked, “Which photo looks closer to the sparrow you rescued?” I picked the photo that I thought looked similar and they gave me advice accordingly. The baby sparrow was only barely covered in feathers. They were feathers in an early state of development and the rachises still not bearing full webs. In this case, the inside of the box needs to be kept at 98.6°F (37℃) while maintaining the humidity level at 70%. This requires constant attention – if either gets too high, a sparrow will breathe by opening its mouth. To control the humidity level, place a wet hand towel in a small container. Avoid water in the container because even a little liquid could cause them to drown. Fresh air is important. And never use a chemical heat pad - they can deprive the baby sparrow of oxygen. I put torn newspapers and tissues in the box. The experts say that we should avoid using a towel because their legs could get caught up in it and fracture easily. What they told me was all-new to me. They also said that even a small mistake could be fatal, so I became nervous. As an alternative to using the bottle of hot water it was explained that an electrical powered heating pad works well, but only the standard type, without a thermostat to control the temperature. Electric heating pads with thermostats are apparently not steady enough and end up delivering a dangerously uneven flow of heat for a baby sparrow. Working fast, my partner found a heating pad in my closet and brought it to me. I put it under half of the box, leaving the other half unheated, and placed a few magazines under that half to keep the box horizontal. I touched the bottom of the box where the heat was hitting to check if it was too hot. Searching the apartment for a thermometer to check if temperature was right I remembered that I had a desk calendar with a built in air temperature thermometer. It would have to do. If you do not feed a sparrow for more than 3 hours, it will get very weak. They need to be fed solid food. There is a possibility to cause death if you don’t do so. But in this particular case, he was too weak to eat the real food. They told me to feed fluid food instead. Fluid food for an emergency like this is a mix of water and sugar, and should be about 3% sugar. So I prepared this mix: 100cc of warm water (about 40℃/ 104℉) and sugar (1 ts). According to them, the weaker the baby sparrow is, its food should have a proportionally lower concentration of sugar. Feeding food with a high concentration of sugar produces insulin, which results in low blood sugar and causes difficult breathing and cramping. So we can’t just do what we think is right. There is a hole in a sparrow’s mouth, called “glottides” and it connects to the air tube so that it is very dangerous to pour the water inside the mouth. As they had instructed, I used a dropper to feed the baby sparrow. I started by making the sugar water that I had prepared earlier warmer than our body temperature and then placed it into the dropper. I put a drop on the side of his closed yellow beak. After he drank it, I put another drop. After he drank a few drops (about 1 – 2ml), we took a break for 30 minutes. After the break I continued the pattern of placing a few more drops on the side of its closed beak and waiting another 30 minutes. At night, I put fewer drops but it went on all night long. Looking at him still wet and his eyes closed, I didn’t think he was going to make it. However, the drop was drawn into his beak and he swallowed it. Ohhhh!! 5. Toughness The expert from “Sparrow SOS” told me “Now, we are coming to the hardest part. You won’t have time to sleep. Good luck!” Her words made me nervous. I decided to focus on carefully doing what I was told and not thinking about anything else. One time, the sugar water must have been too hot for him. When I put a drop on his beak, he moved a bit, and looked up at me, glaring (!) Oh sorry. At that time my partner came home with some purchased food for small birds. Having seen the baby sparrow pecking the ground one day I figured that he had eaten solids before. I went ahead and sprinkled some on the bottom of the box. Ideally the next stage after liquids when they’re getting better is a semi-solid food paste made from hard-boiled egg white and sugar water. You feed a baby sparrow by putting the paste to his deep throat. Instead of the egg white paste, I needed to continue to feed the sugar water every 30 minutes. His body was getting dried, so he looked puffy and cute. He was sleeping in peace. Again, it was only later that I found out his puffy look and calm demeanor meant he was cold… At some point I realized that his eyes had closed, and I couldn’t be sure for how long, or if he was sick or just asleep. The temperature of the box was, as instructed, not too high or too low. Next time when I went to check on him, he had moved to the cooler side of the box. Whew. People say that if you touch a baby sparrow, the smell of the human remains with the baby. And when he goes back to his parents, they smell the human and instinctively abandon the baby. But that’s a myth. Sparrow’s hearing sense is more developed than their sense of smell. Another fact I hadn’t known. However, if a human touches a sparrow’s feather on rainy day, human hands take away the oil covering the feather allowing moisture to penetrate the layer of feathers and reach the skin. If this happens, the body temperature can lower to a fatal point. Lack of knowledge is scary thing. If you find an uninjured baby sparrow and the rain is light, lead them under a bush nearby. Rescued chicks are under tremendous stress, and should not be distracted. Just looking at them too often or touching them can jeopardize their chances of survival. So I patted the baby sparrow with a towel once thinking that would be better. He did not seem to be disturbed; he was closing his eyes and breathing quietly. A long time ago my partner found a chick on the street and took it home. We put the chick into a box, along with bird food and water. We waited to see how it would do. But we let it die because of our lack of knowledge. The little chick looked fluffy, so we named it “Fuku chan.” (In Japanese, ‘fukkura’ means fluffy, so the name of “Fuku chan” comes from fukkura.) We thought Fuku chan would be fine, but when we checked him after a while, he was lying down and not moving. That’s why this time around I got it into gear with my internet searching ability. I kept posting messages and e-mailing, and read the answers carefully. 6. Dawn The baby sparrow was doing better than Fuku chan. He had started chirping before dawn, “Peep! Peep!” I was really glad to hear it. He was recovered. It is important to feed the sugar solution after a baby sparrow wakes up. If he does not get nutrition then, he might starve to death. According to the emails from Sparrow SOS, when you return baby sparrows you have to wait until just before dawn to bring them in the box to where you found them. It helps to sprinkle some bird food on the ground nearby in anticipation of the adult sparrows coming down for food at dawn, as they always do. The time to release the rescued chicks is after the adults arrive. Waiting for the dawn near the bush and concentrating to keep the chick’s box horizontal in a steady night breeze is not relaxing. I was bit worried about his survival after our long day together. My worried face was probably looking very serious, too. The super of the apartment next to the bush, a little by little approached me and stared at the box and me suspiciously. “May I help you?” It had been several years after 9/11, but some of the tension still remained in New Yorkers. On top of that, most of the apartment building superintendents in my neighborhood are from Eastern European countries, such as Croatia or Macedonia, and have lived through the uncertainties that horrible civil war brought to that area. It could have been shocking for him to find a woman who stood still holding a box at dawn in front of his apartment. “May I help you?” the kind of phrase is often used the way it is meant. “Well, there is a chick in this box… and a Japanese website wrote that I should release the chick before dawn when adult sparrows come down for food.” “That’s interesting. Let’s see…what kind of chick…?” “This kind” “Oh, I know this chick! I was wondering what happened to it because yesterday it rained so heavily. Good. Glad it’s okay.” Soon after, sparrows started to chirp. I said “Maybe it’s time to release him now.” He replied. “Let’s wait a little more.” He sounded like he knew about birds, and turned his attention to the feeding sparrows. He finally said, “Okay, now”, so I said good-bye to Chun (by then I was calling the chick Chun – the sound of peep in Japanese) and released him to the ground. 7. Welcome Home Despite my presence, two young sparrows appeared immediately and led him side by side into the bush. Chun disappeared from sight. 8. Afterwards The super said he would keep eye on the baby sparrow. I kept watch over the area, sprinkled more food, worried a little more and went home. The super and I had become acquainted since then and began to say hello to each other. One day, he was with a little child, so I asked, “Is she your granddaughter?” She was actually his daughter. I wanted to apologize. The super explained to me that he had had a heart bypass operation and after that his hair became all gray. He wanted to live longer for his daughter, so he decided to have the operation. Thus I was not able to go to Kozue’s birthday party. But she understood, saying how blissful it made her feel that a small life was saved on her birthday. In the office where I worked at the time most of my co-workers had pets making for a very animal friendly atmosphere. One of them had a sparrow as a pet after rescuing it. (In Japan, it is illegal to catch a wild bird or have it as a pet, but if you rescue it for certain reasons, the local government will give you counsel.) The co-worker who saved the sparrow told me that sparrows are very smart. Since that day Chun glared at me after I fed him the hot sugar water, I was convinced of their intelligence. While chatting with my boss at that time, he taught me that people caught sparrows and sold them as food in mountains in Japan. He didn’t mention which mountains they were and I’ve never seen that occurring, so I’m not really sure if it’s true or not. Since sparrows eat crops (but at the same time they eat the bugs that eat crops) and it is illegal to catch wild birds in Japan, there is a license for people to legally catch them as pest control. I’ve heard that they are even imported from China to sell as food. So naturally he came to the question, “Why did you rescue the sparrow?” “Why did I rescue it?” I see. I have never thought about it. I guess I was too busy. 9. You’ll Never Be Lonely “Why did I rescue…?” It’s a very good question, we should all think about these kinds of things. And also about the reasons why we should not save them. Somebody posted his opinion for rescuing sparrows on one website. “The rescued sparrows would fly again, and rejoice in their lives.” I agree with it. There was another one. “If you are unable to rescue them for some reasons, that’s not bad either.” I agree with this, too. My dog and cats would just say, “I want the sparrow.” (And I would say, “You have no such luck.”) There are different perceptions about life. Though you are only given one. In an African wildlife reserve, there is a policy that the animals’ life cycle should not be touched by humans. Life is in the ecological food chain so humans should not affect the balance of nature. That is fundamental. But it’s called, “wildlife reserve,” so the purpose is protection. If they don’t protect the wild animals from the impact of humans, the change in the animals’ environment will be accelerated. I can’t tell where “protection” starts and ends, or perhaps it’s complicated by politics. There are rangers who risk their lives to protect the wild animals that are threatened with extinction by poachers. On the other hand, many countries allow people to hunt animals for various reasons. To go back to the beginning of this story, why wouldn’t I have saved the soaking wet baby sparrow? There is a way of thinking that you shouldn’t touch wild animals’ lives because it’s the course of the nature. Fledgling chicks can’t fly, so there is a certain period that they have to spend on the ground. You should only save injured chicks or chicks that are stuck in a ditch for example. Otherwise their parents will be desperately looking for them. If you find an unfledged chick, you should return it to the nest. If you can’t find the nest, you could make a nest by using a basket or something similar. If there is an obvious situation where you can save an innocent life through your help, then it's a good idea to do so (although their food ~insects maybe~ may not want you to save them). Some sparrows are consumed as food items, but again, it wouldn’t be the reason not to save them. It is natural for humans to feel that they want to release animals that are in distress or calling for help from suffering, regardless of whether the animal may survive or die, and to hope they survive so that the animal could be alive or fly again. There are situations in which people are demanded to suppress those kinds of natural feelings or when economic activities take precedence. But, why do we need to contain the precious feeling that you are naturally born with for the benefit of business? These days, we don’t have to eat sparrows. Our children are not starving in this country. Rather than eating a sparrow or raising a cow, we need to create more healthy fields to grow the food we eat. Cattle grazing fields demand much more land and resources than food crop fields do. By not cutting down trees to make space for cattle, or for logging, we can protect forests for wild animals. Misguided attempts to save animals as a result of feeling sorry for them can cause harm. But that kind of harm occurs usually when there is not enough information around about the animals. It may be impossible to know everything about animals, but that doesn’t mean we can’t know about them at all. We could keep learning and make connections to make better choices. Taking it further about connections, we tend to think that we are only helped by our fellow humans, overlooking the ways that we are saved by animals and nature. Without their help we may not even exist. In the same way people have rushed to the aid of someone who is calling for help, people have also saved other creatures despite the opposition around them. Because our lives are being saved by other lives. I believe in expressing our natural feelings in ways that they can contribute to the richness of our society. After Chun went out of sight into the bush led by the two young sparrows, I never saw him again. My eyes scan the area for him every time I pass the bush to see if he is grown and flying around. Fukuchan, who died after we rescued her, was buried on the corner near the feet of the Gandhi statue in Union Square. I read that Gandhi said, “The greatness of a nation and its moral progress can be judged by the way its animals are treated.” But I didn’t know the quote then. I was just hoping Fukuchan wouldn’t be lonely when she goes, and felt she wouldn’t be scared if she was near Gandhi. 10. 386,258 people I had seen Chun playing on a concrete area in front of the apartment building before I rescued him. One day, since it was getting dark and a cold wind was blowing, I made a shelter for Chun by placing a small box where it couldn’t be seen from the street. The box was filled with torn newspapers and in it I put a little container with wet paper. Chun was on the concrete area at that time. I led him to the box that I had turned over on its side so that he could come and go by himself. There is no cat colony in the immediate area, however many other predators must exist. While walking my dog at night I stopped near the spot that the box was placed for Chun. Approaching the box I looked inside. There he was, sleeping alone in the back corner. Chun was only a baby chick, but living his best. It’s been years now and today I checked the website of “Sparrow SOS” in order to write this text. The website says, “You are the 386,258th rescuer.” Though probably the number included people who just checked the website, like me. Still, it’s impressive how many people visited the website to read about sparrows. That made me feel happy, as if I were a mother of a sparrow. I think many people saved Chun’s life. I would like to thank the sparrow experts from “Sparrow SOS” and “Suzumekko Club” who helped me by email. Illustration by Ritona Tsubaki
Translation by Yumi Kuwahata Text by Masami Mizuguchi PS: The following are brief explanations of the Japanese websites that I used as reference while researching to write this text (note: all of the sites linked to below are Japanese language only and do not offer English translation) . Please give us your recommendations of the best websites for rescuing wild birds to This email address is being protected from spambots. You need JavaScript enabled to view it. . Thank you. - Masami * In “Suzumekko Club – Rescue & How to raise” they stress how important it is to make the right judgment as to whether a chick needs to be rescued or not. Please do not take an uninjured chick! Their parents are looking for the chicks every year. * In “Sparrow SOS” they write about chicks that should not be rescued. This is a poster for the prevention of false recognition of a rescue situation. * If you had to rescue a chick please read how to perform emergency treatment here at "Sparrow SOS" or here at "Suzumekko Club". * It can be determined if a chick has been lost or not, by looking at its dung. Please refer to this website. “Release From False Recognition of Rescue” * In “Suzumekko Club – Humans and Wild Birds are Neighbors on Earth”, they write about how we can responsibly co-exist with our feathered friends. * We sometimes witness a wild bird that flies into glass and falls. "Suzumekko Club" introduces how to help a downed bird. According to them, you should not feed liquids to an unconscious wild bird. By reading the site in advance, you will be prepared to perform the right treatment if you encounter such a situation. * I also referred to this website, “Q & A: About Fledged Chicks” All of the websites I mentioned above are wonderful. Please visit websites about wild birds and learn more about the sparrows that many of us pass by every day. <The Next Story> The day before the launch of this site, Ms. Ritona Tsubaki who depicts illustration for this section "Animals I've Met" was about to rescue a child pigeon involved in a traffic accident when I happened to pass by the spot with my dog. Her husband drove us to take this injured pigeon to a non-profit organization called "Wild Bird Fund" that provides assistance for wild birds, mainly injured or ill pigeons. The whole thing blew my mind! The next story is "Ms. Tsubaki rescues a child pigeon" See you soon. home |